「こちらこそよろしくね。できる限りサポートするから」
そう言ってくれたのは、現役バスケ部の子だ。
いつも紗奈ちゃんとばかり居る私は、あまり喋った事がないけれど、優しい子だというのは知っていた。
だから、改めてそう言って貰えて、私は少しほっとする。
良かった......。
私は足を引っ張らないように、精一杯練習を頑張ろうーー、そう思ったのだった。
***
「先輩、教えてくださいっ!」
放課後になり、私は悠真先輩の教室に突撃して、現在は頭を下げていた。
まだ教室に残っている先輩からは、何事だろうと言う視線を向けられている。
そして、私の前では悠真先輩が、見下ろすように冷たい視線を送ってきた。
「嫌だ」
「そこをなんとか!」
「通りたいんだけど?」
「教えると言ってくれるまでどきません!」
さっきから、かれこれ10分くらいこの会話を繰り返していた。



