「ふふっ、せーんぱいっ」


「なんだよ」



そんな、嫌そうな表情でさえ、今の私にはキュンときてしまう。



「待っていてくれて、ありがとうございます」


「っ、あぁ......」



これはーー、もしかして照れてる!?

斜め前を歩く先輩の頬が少し紅くなっている気がする。

悠真先輩がこんな反応をするなんて、余計に私の溢れる気持ちが止まらなくなる。



「悠真先輩?」


「ん?」



あぁぁ......っ!

この反応は破壊力が半端ない。


照れたままの返事だったので、声が甘い。

ぶっきらぼうな言葉じゃないなんて、思ってもいなかった。

それに、心の準備もしていなかったので、耳から溶けそうだ。


このままじゃ、悠真先輩に振り回されてしまう。


これ以上、ドキドキしたら倒れてしまいそうだ。


もう、この想いを抑えることなんて私には出来ない。



「好きです!やっぱり私と付き合いません?」


「っ......、ばかーー。付き合わねぇよ」