決まってなかったらどうしよう。
そんな私の心配は要らなかったらしく、先輩はメニューも見ずに言った。
「コーヒー、ブラックで」
コーヒーという時点で、飲めない私は凄いなぁと思うのに、更にブラックと来た。
悠真先輩はよっぽど甘いものが苦手なのだろう。
「かしこまりました。お持ち致しますので、少々お待ちください」
店員さんはそう言って、下がった。
きっと、そんなに時間も経たないうちに、私の前にケーキが届くだろう。
楽しみだ。
「悠真先輩、コーヒー飲めるなんて大人ですね」
「ふっ、お前よりはな」
鼻で笑われた!?
確かに私の方が年下だし、味覚も子供っぽいかもしれないけどーー。
というか......先輩なんで私の名前呼んでくれないんだろう?
いつもお前って言うばかり。
「先輩、私のこと結愛って呼んでください!」
「お前は、また唐突に......」
呆れたような先輩だけど、私はその悠真先輩の声で呼んで欲しいのだ。



