いつもの吊れない感じもいいけれど、こんな先輩もやっぱり好きだ。


私をおんぶして、さらに2人分の鞄を持つなんて、悠真先輩はどれだけ力持ちなのだろう。


しばらくは、くっついている悠真先輩の背中にドキドキしながら、力をいれていたけれど、全く落ちそうにもなく、安定した先輩の足取りだったおかげで、私は言われた通りに、力を抜いて身体を悠真先輩の背中に預けた。


熱が高くなったせいでもあるけれど、先輩の暖かい背中と、歩く振動のせいで、私の意識は朦朧としてくる。


1度、職員室に行ったのか誰かと話している声が聞こえたけれど、私の体調はそれどころでは無い。

ぐったりするしか出来なかった。


いつの間にか、学校の中を抜けて外に出ていたけれど、今の私にはそんな事を考える余裕さえ無くなってきていた。

見慣れた道の為、私の家に向かっている事は分かるけれど、このまま家まで連れて行って貰うなんて、申し訳なく感じる。