ぼーっとするままでいる私を見て、何かに気づいたようにハッとした先輩は、私のおでこや首筋に手を当てた。
ひんやりと冷たい手が気持ち良く感じる。
この寒い中でもそう感じるのだから、きっと私の体温はどんどん上がっているのだろう。
自覚した途端、手は気持ちいいけれど、身体は寒さで震えてくる。
後悔しても遅いけれど、やってしまったなぁ......と思う。
滅多に風邪なんて引かないのに、さすがに耐えきれなかったらしい。
「おい、立てるか?」
私を支えながら、ゆっくり立ち上がる悠真先輩。
なんだか、いつもより優しい。
私もふらふらしながら、立ち上がった。
そして、かけていたコートを悠真先輩がいつの間にか、私の腰に巻き付けている。
「ふぇ......?せんぱい?」
頭が回らずぼーっとしている私を置いて、悠真先輩は鞄も2人分持っている。
そして、背中を向けてしゃがんだ。
「ほら、早く」
「ん?」
早くって何が?



