「ずっとここに居たのか?」
その言葉に私がコクリと頷くと、悠真先輩はさらに申し訳なさそうな顔をする。
別に、私が勝手に居たのだから、気にしなくていいのに。
そう思っているのは私だけのようで、悠真先輩は凄く気にしているらしい。
「風邪でもひいたらどうするんだよ」
そう言いながら、近づいてきて私にマフラーをグルグル巻いた。
さっきまで、先輩が付けていたらしく、まだ温もりが残っている。
それに、悠真先輩の匂い......。
包み込まれているみたいだ。
そして、そこで初めて自分が震えていた事に気がつく。
そんなに冷えきっていたのかーー。
長時間外にいて、感覚が麻痺していたらしい。
ありがとうございます......そう言おうと口を開いた所で、悠真先輩に目を向けた私は言葉を止めた。
私は暖かいけれど、先輩の首元が寒そうだ。



