「もしもし!ちょうど良かった。聞きたいことがあるの」
逸る気持ちを抑えきれずに、出た途端に言う。
『ちょ、びっくりしたぁ......。勢い良すぎでしょ。何があったのよ』
なんだかんだ、文句を言いながらも聞こうとしてくれる紗奈ちゃんに感謝だ。
私は、デートの時のことを報告する。
「それで、告白したら、あっそ......って言われたの!しかも、笑ってだよ?これってどう思う?」
たぶん、10分くらい話し続けていたんじゃないかと思う。
デートの詳細を説明した。
もちろん、キスシーンを見ちゃったところは恥ずかしくて省いたけれど......。
『......』
「あれ?紗奈ちゃん?聞こえてる?」
もしかして、長すぎて寝ちゃった?
電話越しで、物音のしない向こう側に向かって声をかける。