言われなくても、ヒトデなのは見てわかる。
軽く興奮している結愛は次々と色んなヒトデを手に取った。
冷たい水に手を入れたせいか、手のひらは赤くなっている。
見ていて寒そうなのに、一切気にしていないのは凄い。
一通り触って満足したのか、結愛は立ち上がって手を洗いに行った。
「お待たせしました」
数分後、戻ってきた結愛は、さっきまでの興奮は無く、少し落ち着いていた。
「ほら、行くぞ」
放っておいたら、いつまでもヒトデを触っていそうな結愛を、奥に繋がる通路に連れ出した。
俺が歩く斜め後ろを、着いてくるけれど、その目は両脇の水槽に向いている。
自然と歩くペースも遅くなるので、結愛との距離が開いていく。
魚を見て、何が面白いのかなんて、俺には分からない。
ただ、泳いでいるだけなのにーー。
立ち止まって、振り返り、早く来いっと言おうとしたけれど、結愛を見て言葉がうっと詰まった。



