キミのことが好きすぎて



もちろん、このチケットをわざわざ買って用意したなんて言うつもりはないけれど......。



「どうして?」


「別になんでもいいだろ?嫌なら帰るけど?」



素直に言えず、ツンとした言い方になってしまったのは、不本意では無いけれど、わざわざ用意したって言うのも格好がつかない。



「嫌じゃないです!むしろ嬉しいです。だから先輩帰らないでくださいっ」



そんな俺が本気で帰ると思ったのか、焦ったように俺の手を握りしめながら結愛が言う。


一回り以上大きさの違う手のひらは、俺の手にすっぽりと覆われているけれど、ぎゅっと力の入ったことは感じた。


そんな、些細なことも嫌な気分にならず、可愛いと微笑ましく思ってしまう。

無意識のうちに、口角が上がってしまうのを感じた。


すでに、どうしてチケットを持っていたのか、聞き出す気のない結愛は、中に入れる事が嬉しくなったのか鼻歌を歌っている。


ほんと、コイツの事は分からないーー。