いつも通りにしてくれないと、俺がどう接していいのか分からなくなる。
安心させるように、俺は震えている手を掴んで歩き出した。
さっきは腕を掴んだけれど、今度は、きちんと手を繋いでいる。
ーー結愛の震えが止まった。
手を繋いだからなのか、今日のこれからの事を考えたのかは分からないけれど、さっきまでの恐怖はどこかに行ってくれたみたいだ。
きっと、空回りせずいつもの結愛に戻る。
「悠真先輩っ!助けてくれてありがとうございます」
戻ったのはいいけれど、何を企んでいるのか、目がキラキラしている。
きっと、ろくな事がない。
「......なんの事だ」
こういう時は、スルーした方がいい。
今まで、散々色んなことに付き合わされてきたからこそ、こういう時は、何かあると警戒する。
「先輩、さっきのもう1回言ってくれませんか?」
やっぱりーー。
期待の眼差しを向けるのをやめて欲しい。



