ナンパ男なんか目に入ってこないくらい、結愛しか見れなかった。
だけど、俺の口から素直な言葉が出てくることはない。
「寒いんだから、待たせるなよ。さっさと来い」
どうして、こんなに助けたいと思うのか、目が離せなくなるのかは分からない。
けれど、俺の顔を見てほっとした表情の結愛はとても可愛かった。
「ごめーー」
結愛がそう言って、俺の方に来ようとした瞬間、視界から排除していたはずのナンパ男が目の前に現れた。
「おい、俺達のこと無視?いい度胸してんな」
ったく、邪魔しやがって。
舌打ちと悪態を心の中でさらけ出す。
明らかに、この場に浮いている男達に構う筋合いなんてない。
俺は、気にせず結愛に近づいて腕を引っ張った。
「こいつ、俺のだから。早く返してくれる?」
結愛を引っ張り出して、背中に庇うようにする。
あぁ......、俺、何言ってんだ。
こんな恥ずかしいセリフ言うなんて、今まででは考えられない。



