悠真先輩のクラスの人だって、まだほとんど残っているのに既に居ないなんて。
もしかして、昼休みに私が来たことを聞いて逃げたとか?
ーー先輩なら有り得る。
甘い雰囲気は全然なかったけれど、ふたりきりで練習もした、私と先輩の仲だから、そんなはずはないと思いたいけれど......、悠真先輩ならやりそうだ。
それも、面倒くさいことに関わりたくないとでも言うような顔をして......。
想像出来てしまうところが、リアリティある。
「ありがとうございました」
私は、教えてくれた先輩にお礼を言ってから家に帰った。
さて、どうしようか。
諦めて1人で勉強ーーは、無理だからどうにかして悠真先輩を捕まえなければいけない。
私は珍しく勉強机の前に座り、頭を悩ませていた。
目の前にあるルーズリーフには、まだ何も書かれていない。
とりあえず、思いつくものを書き出してみよう。



