私は、双葉柚葉。

私は今日から中学生になる!

中学では、絶対彼氏作ってやるんだから!



そんな強い思いを胸に……。

でも、実は、男の子と喋るの苦手なんだよね。



「あっ!柚葉、おはよう」

「あ、陽葵。おはよう」


友達の陽葵は、とても女の子らしく可愛い子。だから、陽葵はモテる。

羨ましいな。何もしなくても告白されるだなんて。


「そういえばさ、ここの中学、女バスケ部ないらしいよ」

「えっ」


ゆういつ、バスケだけが取り柄だったんだけど………。


陽葵は心配そうに私の顔を覗き込む。

「何部入るつもり?」

「うーん……」


私は、小さい頃からバスケも特別上手いって訳じゃないけど、楽しいって思えたのがバスケだけだった。

昔、スポーツニュースで、バスケを見たのがきっかけだった。

だから、私は小学校の間、バスケに専念してた。でも、あの事が起きるまでは楽しかった。


あの事とは、私が骨折をして、男子にからかわれてから、まともにバスケが出来ることなんてなかった。


女子なのにバスケやるからだろって言われてとてもショックだった事を今でも覚えてる。


でも、中学では、女バスケ部があることを知った。だから、女バスケ部きに入りたい、って思って来たのはいいけど……、まさかないなんて。


初日早々、不幸に訪れた気分かも。


しかも、今更知るとか。絶対あるもんだと思ってたから……。


そして、学校に着いた途端、陽葵が…………。


「えええええっ!?ゆずとクラス離れたよ~!」

「ほんとだ」


初日早々、二度目の不幸……、なんか今日、ついてないかも。


陽葵は、「絶対一緒に帰ろうね!」と何度も言ってきた。


私は別にどっちでもいいんだけどね…。一人ぼっちって嫌いじゃないから。あの頃、何度も味わったし。


双葉だから、あとの方の席か……って、隣男子か。やっぱりついてない。


「よ!」

……話しかけられた。どうしよう。なんて話せばいいんだろう。

「隣よろしくな!」


男子と話すの苦手なのに…………。

「なんで喋らねんだ?」

無言になってしまう。男子ってグイグイ来る所苦手なんだよな……。


「おい」

「は、はいっ……!」


「やっと喋った」


彼は、顔に笑顔を浮かべていた。返事しただけなのに……。


この人やっぱり、苦手だ。