「どうしたの」 「ん、なんでもないよ」 帰り道、叶斗の肩に顔をうずめれば優しい声で言う彼。 それは約束だから───。 なんて訳の分からないことを言った叶斗。 約束って…? 黒瀬くんとの約束? それとも彩葉ちゃんとの約束? 分からない。 でも叶斗はその後に「けど清野さんは好きじゃない」とはっきりそう言った。 そして今なぜか叶斗におぶられて家までの帰り道を歩いている。 いいって断っても足痛いんだろとかとか言って言うことを聞いてくれなかった。