「じゃ、てことで俺らは行くわ」


「え、ちょっと、黒瀬くんっ!」




どういうわけか彼に手を引っ張れ店を出た私たち。



黒瀬くんの言葉で余計みんなに勘違いされたじゃんか…



何もなかったような顔をする黒瀬くんを睨むと口角を少し上げていてわざと言ったのだということが分かる。




「もう黒瀬くんなんか嫌い」



「じゃあ今までは嫌いじゃなかったんだ?」



「っ、今日になってもっと嫌いになったの!」




目を合わせたくなくてずっと彼の視線から逃げていたらいつもの手つきで顎をグイっと持ち上げられ、目線を無理やり合わせられる。