「心桜」 「っ、叶斗…」 お店を出るとゆるっとした格好をした叶斗に声をかけられる。 「どうしたの?」 「え…?」 「いや。何でもないなら帰るぞ」 「あ、うん…」 普通を装ってそう返事をする。 だけど帰り道は考え事で頭がいっぱいだった。 今朝の彩葉ちゃんの頼み事。 それからさっきの言われた黒瀬くんの言葉。