「結菜、大丈夫だよ
結菜が悪くないのは、
俺も湊もわかっているから」

陽翔がそう言うと、
相原先生も頷いてくれる


「…でも、結菜ちゃん、
やっぱり体重が心配だから
最後に採血だけ頑張って
病室に移動しよう?」

今だに採血という言葉を聞くと涙が出てくる。

「結菜、俺の膝の上においで
大丈夫、すぐ終わるから」

陽翔はそう言って、
私のことを後ろから抱きしめるように膝にのせて
洋服の袖を捲った。

腕にヒンヤリ冷たい感覚がしてすぐ

「結菜ちゃん、ちょっとチクッてするよ」

そんな声がして刺されるような痛みを感じる。

相原先生もいるからなんとか声を出さないように我慢したけど、涙がどんどん出てきてしまった。