私のために、最近いつも早く帰ってきてくれているんだよね………

私がこんなだから、
陽翔にも赤ちゃんにももうしわけない



「結菜、いるんだよな…結菜………」

いつもみたいにリビングにいないから
歩きながら私を探し始める陽翔…

洗面所の近くの廊下を陽翔が通ったとき

「………陽翔、助け………て」

力のない声でなんとか呼ぶ。


「結菜………大丈夫…?
気持ち悪くて動けない…?」

すぐに洗面所に入ってきて、
心配そうに顔を覗きこみながら
私のことを抱き上げる陽翔…


…温かい

寒い洗面所に座りこんでいたから、
陽翔の体が温かく感じて、安心する。


だけど………体とかこんなに冷やしちゃて………陽翔がすぐに助けてくれたから良いけど、私一人だったらどうにもできなかった………

気づくとひとすじの涙が頬につたる