駿平の両親は 2人とも歯科医師で。

首都圏の 地方都市で 歯科医院を営んでいた。


兄が継いだ 歯科医院で 今も時々 診察している。


元々は 母方の祖父から 譲り受けた歯科医院。

婿養子の父は 若い頃 しょっちゅう 女遊びをしていた。

その度に 悲しむ母の姿を 駿平達兄弟は 見ていた。


お金があって 家に居づらい父が 

外で遊ぶ気持ちを 今なら 理解できるけど。


子供の頃の 駿平は 家族が 嫌いだった。


父も母も 子供達を 可愛がっていたのに。

どうして 仲良くできないのか わからなかった。



結婚して 二児の父親になった兄は

駿平とは 正反対の マイホームパパ。


家庭的で 奥さんを 大切にしている。

父が 反面教師に なっているから。


逆に 駿平は 結婚する気もなく。

財力に任せて 遊び放題。


父の血を引く自分が 

1人の女性で 満足できるはずがない。


それなら 結婚して 家族を苦しめたくない。

駿平は そんな風に 自分を正当化していた。