好色歯科医が初めて真剣な恋をしました


「真美さんと 結婚したいと思っています。」

駿平が言うと 真美の両親は 笑顔で 顔を見合わせた。

「本当に 真美で よろしいんですか?」

お父さんが 駿平に 念を押す。


「はい。真美さんと一緒に 幸せな家庭を 作りたいと思います。」

真美は 少し涙汲んで 駿平を 見つめていた。


「真美は 小さな頃から 手がかからない子で。私達に 何も 心配かけないで。すごく 嬉しいけど。ちょっと 寂しいわね。」

お母さんの言葉に 真美は ハッとして 顔を上げる。

「お母さん。寂しい?」

「そうよ。真美ちゃんは 小さい頃から 聞き分けがよくて。わがままも言わないし。お母さん とっても楽に 子育てしちゃったから。よそのお母さんは 子供のことで 悩んだり 苦労してるのに。もっと 心配させてほしかったのよ?」

お母さんの言葉を聞いて 真美は ワァッと泣き出した。


両手で 顔を覆って 俯く真美に 

両親は 驚いた顔をする。


「私だって…お母さんが いつも 優しいから…もっと 私を 叱ってほしかったのに…」

泣きながら 途切れ途切れに 真美が言う。

お母さんは 席を立って 真美の脇に 跪く。


「叱ることなんて 何もなかったじゃない。真美ちゃんが いい子だったから。お母さんは 優しくできたのよ。」

真美の手を 握って言う お母さん。


「だって…だって 私。お母さんが 大好きだったから…」

「お母さんだって 真美ちゃんが 大好きよ。でも 真美ちゃんが いい子だから 好きなんじゃないわ。真美ちゃんが わがまま言っても お母さんは 大好きよ。」

真美の 嗚咽は しばらく 止まなかった。