亜紀子を 先に送って 真美と2人になった 車内で。

「真美も 心配な事が あるんじゃない?言ってごらん。」

駿平は 優しく 声をかけた。

「えっ?先生 どうして?」

真美は 少し 不安そうに 駿平を見る。


「うん…真美 時々 考え込んでいることが あるから。」

駿平は 昼間 亜紀子と真美の話しを 

聞いたことは 言わなかった。

真美の言葉で 駿平に 言ってほしかったから。


「先生。私 本当に このまま 先生と一緒にいて いいの?」

真美は 少し考えてから 駿平を見て言う。

「俺は ずっと 真美と一緒にいたい。」

「先生のマンション すごく素敵で。本当は 私なんかが 住めるような場所じゃ ないのに…」

「真美なんか?」

「そう。私 お金持ちじゃないし。先生と 釣り合わないから。」

「釣り合うって なんだろうなぁ。俺も 時々 不安になるんだ。真美は 俺より 12才も若いだろ?俺は 真美に 釣り合わないんじゃないかって。」

駿平が言うと 真美は 驚いた顔をした。


「えっ?そんなこと。私 一度も 思ったことないよ?」

「俺も 同じだよ。真美が お金持ちじゃないから 俺と 釣り合わないなんて 一度も 思ったことないよ。」

「先生…私 本当に 先生と一緒にいて いいの?」

「もちろん。ずっと一緒にいてほしい。真美が 近くにいるだけで 仕事も 楽しくて。俺 どんどん 稼げるような気がするよ。」

「先生。ありがとう。」

「俺こそ。もう オジサンだけど。真美 いいの?」

「うん。先生 全然 オジサンじゃないもん。」


そう言う 真美の目には 薄っすら 涙が光っていた。