診察が 終わった後で 駿平は 亜紀子と真美を 車に乗せた。

「真美ちゃん ごめんね。」

「いいえ。私こそ。一緒にいても いいんですか?」

「もちろんよ。」


亜紀子を 慕っている真美だけど。

真剣に 駿平と付き合い始めたから。

今までとは 気持ちが 違うことを

亜紀子は 心配していた。


駿平が 予約していた 話題のレストラン。

「わぁ。美味しそう。」

運ばれてくる料理に 真美は 無邪気な声を上げる。



「先生。私 この間 大西先生に 告白されて…恋人として 付き合いたいって。」

暫く 他愛のないことを 話した後で

亜紀子は 思い切って 口を開く。


「よかったじゃない 亜紀子。大西先生は 亜紀子の理想通り 真面目な人だよ?」

「はい。それは 何回か会って よくわかりました。だから私…」

真美もいるから 亜紀子は 言葉を選んで 言い淀む。


「亜紀子 いくつになった?」

「今年で 27才になります。」

「大西先生は 俺の2才下だから。34才か。」

駿平が 何を言いたいのか 

亜紀子も真美も わからなくて。

探るように 顔を 見合わせる2人。


「27才と34才のカップルで。2人とも 何もなかったら 気持ち悪いなぁ。」

駿平の言葉に 亜紀子と真美は 笑顔になる。


「真美。俺と亜紀子のこと 気になる?」

突然 駿平に聞かれて 真美は うろたえる。


「えっ。だって 今の私とは 違うから。」

うまく言えなくて 口ごもる真美。