きみは俺だけの彼女


私と入れ代わりで少し離れた下駄箱で履き替えた空人が顔を出した。



「正騎先輩〜、何?その人も一緒に帰るの?」

「知らん。……あぁ、もしかして、お前に用があるのかもな?」

「俺ぇ?……先輩、俺のこと便利に使い過ぎてません?」

「お前が先輩と呼ぶ時はロクな事がないからな」


空人と嶋村くんはそのまま何も無かったように軽口叩きながら歩いてきた。


「流石、空人。早かったね」

奏波が空人に声をかけるが、空人は私の肩を抱いて歩きながら文句を言う。

「雪姫〜。正騎が俺に面倒を押し付けるんだよ。酷くない?」

「ちょっとっ!あんた達から雪姫を離した意味が無くなるでしょっ!
手を離しなさいよっ!」

奏波は空人の手を抓って抗議する。


「え〜。俺、被害者なのにぃ〜」

空人は抓られた手を擦りながら嶋村くんを見る。

嶋村くんは面倒くさそうな、嫌なものを見るような目で空人を見る。


そのあと私を見た。
一瞬、目が合ったと思った時には嶋村くんに手を引っ張られた。



「空人は放っといて帰ろう。席が無くなる」

「それもそうね」


嶋村くんに同意した奏波はそのまま私の横を歩く。



「先輩達ヒドい」

愚痴りながら空人はついて来た。