きみは俺だけの彼女



「まだ気分悪い?」

「……うん。ごめんね。……私ここで休んでるから次の乗ってきて」



心配そうに私に声をかける奏波。

ついさっき、私は人生初の体験をした。
それは、絶叫系ジェットコースター。


……予想はしてたけど、予想以上だった。



以前、奏波との何気ない会話で、遊園地は小学生の時に行っただけ、と話したことがあった。
それを覚えていたからか、今日の予定は遊園地で遊ぶことだった。

子供の時には身長制限で乗れなかったコースター系に初チャレンジしたのだが……
見事玉砕……。



「じゃあ、俺らは次あれ乗ってくる」

空人はさっき乗ったやつより、更にハードそうなコースターを指差した。


「うん。ここで荷物番してるよ」

「あれ乗ったらすぐ戻って来るからね」

奏波がバッグを私に預けてから乗り口へと歩いて行った。



……あんなのに乗るの?
……二人とも凄いなぁ……
目の前のコースターと二人を見てため息をついた。



「雪姫、大丈夫?」


横から聞こえた声にドキッとする。
嶋村くんは今買ってきてくれた温かいお茶を渡してくれた。

「あ、ありがとう。……嶋村くんは乗らなくていいの?」

「俺もコースター系は好きじゃないから気にしなくていいよ。このゴーカートなら乗ってみたいかな」

「ゴーカート?それなら私も平気かな?」

嶋村くんが見てた案内図を覗きこむ。



……頑張って普通にする
……変に意識しないように
……隣にいるのは空人だと思いこむ



「あ、これは?」

嶋村くんが指差したのはアーチェリーだった。
子供が遊ぶようなものでなく、本物のアーチェリーを構える大人の写真が載っていた。


……気になる……

やってみたい、けど、弓道を辞めた私がやりたい、と言うのもなんだし……。



「アーチェリーはやったこと無いな。弓は少し重いのかな?後で見に行こう」

「うん」

私に気を使ってくれたのかは分からないけど、行きたくないとは言えないし言う気もなかったから素直に頷いた。