きみは俺だけの彼女



「雪姫……?」


まるで心配するような声で呼ばれたから、余計に悲しくなった。



今朝は嘘をつかれてまで出掛ける計画を立てた奏波に怒っていたのに……。

嶋村くんも、奏波に誘われたから一緒に来たのかもしれないのに……。



中学のときに嶋村くんを忘れようと自分から離れたくせに。



未だに諦められないなんて……。






「ごめん。ちょっと出てくるね。すぐ戻る……」




泣きそうになって慌てて部屋を出た。