きみは俺だけの彼女



「スマホ持ってる?」

「??」

いきなり聞かれた意味がわからないままワンピのポケットからスマホを取り出した。



「さっき撮った写真、送りたいんだけど連絡先聞いていい?」

「あ、うん。」

反射的に頷いて自分のスマホを見てから気付く。



……れ、連絡?

少し焦りながら操作しようとしたが…。
……やり方がわからなかった。


こんなことで友達の少なさが露呈する。
恥ずかしい……。




「……ちょっと見ていい?」

「あ、うん」

またも反射的に頷いてスマホを嶋村くんに渡した。
嶋村くんは自分のスマホと両方操作して登録してくれる。



「ご、ごめんね。登録とかいつもわからなくて……」

「全然いいよ。はい、ちゃんと登録されてるでしょ」

渡されたスマホの画面に嶋村くんの名が表示されていた。



それだけで嬉しくなった。


「あ、ありがとう」

「うん。…あ。」

何か思い出した嶋村くんがリビングのソファの方へ行ってすぐ戻ってきた。

目の前で大きめの膝掛けを広げて私の肩に掛けてくれる。


「風邪ひかないようにな」

「……ありがとう」

膝掛けの合わせ目をぎゅっと握りしめ俯いた。



「あの、じゃあおやすみなさいっ」

慌ててそう言ってその場を逃げ出した。

背中に聞こえた「おやすみ」の声で顔が赤くなるのがわかった。