きみは俺だけの彼女




「斎藤?」

ハッと目を開けると少し離れた所に嶋村くんが驚いた様子で見ていた。



慌てて立ち上がり着ていたワンピースに付いた土を払う。


「大丈夫か?何かあった?」

気付くと目の前にいる嶋村くんが心配そうに手を伸ばして私の髪に触れた。


「髪が冷たい……冷えて気分悪くなった?」

「ち、違う。ちょっと涼んでいただけ」

「涼むって……冷え過ぎじゃないか」

「うん。もう部屋に戻るよ」


心配されたのと恥ずかしさで居たたまれなくなり、そそくさと早歩きでリビングに戻ってきた。



「そ、それじゃ……」
「あ。あのさ、斎藤」

おやすみと言おうとしたら声をかけられた。