きみは俺だけの彼女




予定外のデートはかなり楽しかった。




まだ一緒にいたいと思う反面、欲を出し過ぎて雪姫を泣かせた道場での出来事を思い出して踏みとどまる。




並んで歩いていた足は雪姫の家の前で立ち止まる。

いつものように家に入るのを見届けてから帰ろうとしたが、雪姫が動かない。



繋いだ手もそのままだ。



俯いてる雪姫が まるでまだ一緒いたいと言ってるように思えて嬉しくなる。




 が。




俺の理性が崩れる前に行動する。




繋いだ手をそのまま引っ張って玄関前で手を離すと雪姫はバッグから鍵を取り出して開ける。

雪姫を玄関に押し込んで、開いたドアに足をかけたまま声をかけた。



「それじゃあ、俺がドア閉めたらすぐ鍵を掛けて。寒いからちゃんと暖…」




驚いて話す途中で言葉を失った。





雪姫が俺のコートにしがみついた。





だから俺は、理性を手放すという選択肢しか選べなかった。





しがみついた雪姫を引き剥がすと泣くと思ったから。




ドアに掛けてた足を引くとドアがカチャリと音をたてて閉まる。







雪姫を包みこむように抱きしめて俺も雪姫の肩に顔を埋める。







肌寒い静寂の中、互いの体温が心地良い。