無意識に髪留めを持ち上げると、金具の一部が外れ落ちた。
「なんだ。壊したってコレのこと?」
「……昨日、外した時、に落としちゃ、って壊、しちゃ……ごめ、なさい」
すすり泣きながら謝る雪姫。
……こんなの見たら誰だって無理だろ。
俺は思い切り抱きしめた。
「雪姫のせいじゃないだろ?安物なんだからすぐ壊れてもおかしくない。雪姫が毎日着けてくれてただけで十分嬉しいよ」
「でも、……明日、着けたかっ、たの」
……明日。イヴだな。
そうか。雪姫にプレゼントして明日で丸2週間目か。
すぐ壊れるような安物をプレゼントした俺のせいだな……
今、直せないか?部品が欠けてるから金具だけ着けかえられれば……
あ。同じ物がまだあと2個あったよな?
まだ売ってるかな?
雪姫を抱きしめたまま周りを見ると、リビングの時計が見えた。
まだ18時前。
「雪姫、俺、今すぐ同じ物買って来…」
そこまで言って気付く。
……安物何個買ってもすぐ壊れるんじゃダメか……。
雪姫はフルフルと首を横に振ってるし。
「同じじゃない、これが大事、な誕生日に、貰ったの、」
………そっか。安物でも大切にしてくれてたから、同じでも他のじゃ意味無いか。


