「雪姫、どうかした?」
悲しそうな雰囲気の雪姫をそのままにできず、つい聞いてしまった。
「……髪が絡まったから……パサついた髪で恥ずかしくて……」
なんだ。そんなことか。
「雪姫の髪は細くて柔らかいからな。ぱさついてなんかないよ。コート脱いですぐだから静電気が起きただけだ」
雪姫の髪を手櫛で梳くように何度か撫でつけた。
ただそれだけで、雪姫の顔が赤く染まるのを見てしまう。
恥ずかしそうに俯く雪姫が可愛いくて……。
本能を察知し、雪姫の腰に添えていた左手が勝手に動く。
難なく雪姫を抱きしめた。
そして抱きしめて気付いた雪姫が俯いた理由。
思わず覗き込むと雪姫の瞳に涙が溢れてた。
「雪姫?どう…」
「ごめんなさいっ」
どうした?と言おうとした声を遮られる。
雪姫の身体が震えてた。
「た、大切にしてたのに……私が、壊しちゃってごめんなさい……」
何事かと思った。
泣きながら謝る雪姫。
なんで俺に謝ってるのかわからなかった。
「雪姫?何を……」
声を掛けてすぐ気がついた。
雪姫が両手で持っていた髪留め。
俺がプレゼントしたやつだ。
そういや、プレゼントしてから毎日着けてくれてた。
嬉しかったから覚えてる。
でも、今日は着けてなかった。
昨日は……着けてた気がしたけど……?


