きみは俺だけの彼女



玄関に入るが、靴は脱がない。


立ったまま雪姫が部屋から戻ってくるのを待つ。

と思ったがトイレに行きたくなった。

何を考えるでもなくすぐに断りを入れる。

「雪姫、トイレ借りていい?」

「うん」

2階に向う雪姫の背中ごしに返事を聞いてすぐトイレを借りて出てきた。



玄関に戻って靴を履かねば、と早足で廊下を歩いたら、急に階段から雪姫が出てきた。


思わず受け止める。


「あ、ありがとう。ごめんね、つい癖で最後の段を飛んじゃった」

「いや大丈夫。雪姫が怪我してないなら平気」



久しぶりの雪姫の感触だが、すぐ手を離した。

雪姫も俺と離れようとしてすぐ短い悲鳴を上げた。

「痛っ!」


その声で見下ろして見れば、俺のコートの釦に雪姫の髪が絡まっていた。



「ご、ごめん」

雪姫は少し焦ったように釦から髪を外そうとした。



その姿を見ていたら、雪姫の顔が悲しそうに変わっていった。

程なくして釦から髪を外せた雪姫。

でも俺は無意識に手を動かして雪姫を軽く抱き囲った。