「今日は帰ってきて正解だったな。こんなに面白い話が聞けるとは」
本当に楽しそうに笑う陸人さん。
薫さんも同意する。
「本当よね。お父さん達にも言ったらビックリするわよ〜。お父さん達もま〜くんを気に入ってたからね」
………そう、なのか?
5歳の俺、一体何をして気に入られたんだ!?
気楽に宮田家に夕飯を食べに来たのに、突然ハードルを上げられた俺はどうしたらいいのかわからなくなった。
思わず呆然としていたら裾を引っ張られた。
「……嶋村くん、ごめんね。急にこんなことになって」
雪姫が赤い顔のまま、こそっと小声で謝る。
「いや、驚き過ぎただけで……まさか、俺が雪姫の初恋だったとは思わなかった。今日ここに呼んでくれてありがとな」
そう言うとまた雪姫は本当に嬉しそうな顔で「うん」と頷いた。
「……この状況で二人の世界に入れるなんてマジですげぇわ」
気付くと空人の呆れた顔。
陸人さんは終始笑顔で、逆に怖い。
海人は相変わらず俺を睨み続ける。
……そうだ。
ここは最強の敵陣内だ。
雪姫を泣かせようなものならこの3人+奏波嬢、両親が一気に牙を剥くだろう……。
俺は否応なく気を引き締めた。


