雪姫の誕生日。



学校が終わって一度帰宅し、着替えて雪姫の家に向かった。

雪姫の家のベルを鳴らすとすぐに迎えられた。



「時間より早くてごめん」

「ううん、大丈夫だよ。上がって」



家の中に引き入れてくれようとするが、あと少ししたら奏波嬢も来る。

それに俺も一応男だ。



「いや、ここでいい。どうせお嬢もすぐ来るだろうし」



靴を脱ぐことなく、玄関で腰をおろした。

俺につられるように雪姫も靴を履いて隣に座りこむ。

その間に俺はバッグから小さな紙袋を取り出し雪姫に渡した。



「………安物でごめん。まさか雪姫と付き合えると思ってなくて、無難なプレゼントしか用意してなくて」

空人の言う通りもっとちゃんとした物を用意しておけば良かったと後悔した。



「……今、開けていい?」

嬉しそうな笑顔を向けられたが本当にたいした品じゃないからバツが悪くて微妙に頷いた。