どれくらい時が過ぎたか。
まだ腕の中にいる雪姫は少し落ち着いたようだ。
俺の道着にしがみつく手を見るとさっきまでの雪姫を思い出した。
俺が引き離したのを拒絶と思って帰ろうとしたのか？
空人を呼ぼうとしたら嫌がった。
他の誰も嫌だと。
……俺の告白が間違ってたのかもしれない。
自分だけ言いたいことを言って俺のことを考えてと伝えた。
あの時、抱きしめたままちゃんと返事を聞いていたらこんなに泣かなくてすんだかもしれない。
ごめん雪姫。
もう空人にも陸人さんにも渡さないから。
いつでも俺が守るから。
そう思ってそっと背中を撫でた。
ビクッ。
雪姫が身体を強張らせた。
