雪姫に近付いた男が今までいなかったからなのか、夏まで静かだった俺の学校生活がガラリと変わっていたのを目の当りにした一日だった。



まぁ、俺は良い方なんだろうな。



これだけ注目される立場にいながら、1年の時の雪姫は一人だったからな。

昼休みだけはお嬢が雪姫のとこに通ってたらしいが。



そんなことを考えながら袴の帯を締める。



さすがにこの時期の夕方は寒い。



ほぼ外の射場の床は冷え切ってすぐに体温を奪われそうだ。



軽くその場で上半身だけ身体を動かしてから、ゆがけを着けて弓矢を手に取る。



射った矢を回収しやすいように一番奥の方まで行って正座する。






雪姫の事で話があると陸人さんに呼び出されて来たものの多分初めての陸人さんとサシの対面に緊張が拭えない。



陸人さんの行動が読めない。



空人は陸人さんも俺を認めてると言ったがそう簡単にいくとは思ってない。


何を言われるのか………。




ふぅ、と息を吐き、邪心を振り払う。