きみは俺だけの彼女





太い丸太の柵に頬杖をつきながら3人が馬に乗る姿を見ていた。



「3人とも格好いいな……」

素直に口から出た言葉に自嘲した。



失恋したのにまだ嶋村くんを目で追ってるなんて……。

「奏波嬢、か……」

最近、薄々思ってたけどね。
たまに嶋村くんと奏波が話してたし。
二人ならお似合いだと思う。



嶋村くんはきっと空人が私の彼氏だと思ってるんだろうな……。



海人でも陸兄でも誰が彼氏でもいいけど。



わかっていたことだ。



嶋村くんが、私に彼氏がいると思うのは仕方ないし最初から諦めてた。



失恋なんて予定通りのことだ。



そのうち嶋村くんの彼女を見る日が来る。



だからこれ以上好きにならないように、見ないように、忘れようとしたのにな……。



分かってたけどしんどい……。



まさか、嶋村くんの彼女が私の親友になるかもしれないなんて………。



しんどいのにまた目で嶋村くんを追ってる……。



思わず泣きそうになり、丸太の陰に隠れるようにして目を瞑る。




もう嶋村くんを見ないように……。