「雪姫、探したよ」
雪姫を抱きしめたまま話す海人だが、雪姫はさっきまでの赤い顔ではなくて至って普通に海人と話している。
「え?でも、お父さんにはちゃんと言ってあるよ?」
「でも昨日あんなことあったら心配するだろう?」
「あ、副部長さんに私が感謝してたと伝えてくれる?」
「分かった。後で伝えとく。それより早く帰ろう」
「え?でも……」
思いっきり俺の存在を無視しやがる海人。
雪姫を抱きしめてるだけでもムカつくのに今度は肩を抱いて帰ろうと雪姫を促す。
売られたケンカは買ってやる。
海人に促された雪姫は困った顔で俺の方を見る。
それだけで頼られた気がして気分が良くなった。
「悪いけどっ」
声をかけながら雪姫の腕を取って自分の方に引き、海人から雪姫を引き離した。
「昨日の事があったから、雪姫と家までちゃんと送ると約束したんでね。
空人と奏波嬢にも念押しされてるから俺も一緒に行くからな」
「そんなの知るかっ。俺一人で充分だ」
「お前、昨日の事聞いたんだろ?複数の奴に絡まれたらお前一人でどうにか出来るのかよ?一人より二人のほうが安全だろ」
二人きりを邪魔されたんだから俺だって邪魔してやる。


