…わたしは、
「……私も、忘れ物」
私は何をしているんだろう。
そして、なんで嘘をついたのだろう。
忘れ物なんてしてないけど、皆いつも当たり前みたいにここにいたし、暇だからって、
理由なんてそれだけでよかったのに。
それだけなのに。
「そっか!しばらく寂しくなるね~」
「…え?」
「またねっ」
そう言うと、パタリとドアを閉めてしまった。
…しばらく寂しくなるって、なにが?
その日の夜、ケータイを見た私は菅原の言っていたことをやっと理解した。
あんまりケータイを見ない私は、気がつかなかった。
ーーーーーーーーー…
突然ごめん。
俺と結は進路で忙しくなってくるから、生徒会室に行けないことが多くなっていくと思う。
それでも、分からないことがあったらいつでも聞きにおいで。
俺たちがいない間、生徒会ボックスをよろしくね。
ーーーーーーーーーー…
渚先輩からの連絡だった。
……そっか
先輩たちは3年生。
生徒会の仕事だけじゃなく、自分の将来のことも考えないといけない時なのだ。
私と違って暇じゃない。
…そっか
私はケータイをベットの隅にやって、ゆっくりと目を閉じた。