落書きには、可愛い文字で生徒会メンバーと書かれていたり、
菅原が書いたであろう変な動物が描かれていたり、
個性がいっぱいだけど、これがいいと思った。
私には皆がいい。
普通じゃなくても変わり者でも、ちゃんと大切な仲間なんだと、柄にもなくそう思った。
_“いつもありがとう!”
一番端っこの写真に、そう書かれていた。
……こちらこそ
半目だったり、そっぽを向いているけど、ひとつだけ違うのは、
笑っている写真があるってこと。
いつも写真にうつっている自分は、皆に幽霊と間違われるような顔だったけど、
ここにいる私は笑っている。
それがなにより嬉しかった。
ゲームセンターを出ると、「アイス食べない?」という渚先輩の言葉で、
皆でアイスを食べることになった。
外のベンチでアイスを食べることに。
それぞれ美味しそうなアイスを持って、アイス屋さんの隣にあるベンチに座った。
外に出ると暑かったけど、アイスを口に運ぶと、とても幸せな気持ちになる。
ひんやりしてて、甘い。
私が選んだのはチョコ味だ。
「ふくかいちょーの美味しそう!」
「あら、ひとくち食べる?」
「うん!」
「…ちょ、ちょっと待ってね…手が震えて…」
…結さんの手が、嬉しすぎて震えてる
気づいているのは私だけだったから、ふっと声に出して笑ってしまった。
菅原は気がついてないんだろうな。



