渚先輩、好きってなんでしょうか?



ぼーっとしていると、隣にいる渚先輩にそんな心配をされて、ちょっとだけドキッとした。




…どうして分かるのか、不思議だ



「大丈夫です」




もともと人が多いところや、賑やかなところは得意ではない。




だから本当は少し疲れた。




そんなに顔に出てたのか?


普通にしてたつもりだったんだけど。




しかも私は表情に出ない方で、少し疲れたくらいじゃ誰も気づかないのに。



渚先輩はすごい。




「アイス食べる?」



「食べる。」



即答した私に、クスッと笑う先輩。




アイスはどんなときも美味しいの。



どうせ食い意地張っているとか思ってるんだろう。




アイスは大好物なんだからしょうがないです。




「おまたせ~」




落書きを終えたふたりが戻ってきた。



結さんの手には4枚に分けられた写真。


ハサミで分けてくれたみたいだ。




「はい、これ心花ちゃんの分」



「…ありがとうございます」




手に渡されたものを見ると、高校生らしく制服を着た四人が写真にうつっていた。



もちろん私もそこにいるわけで…



「………」



初めてのプリクラ。