渚先輩、好きってなんでしょうか?





咄嗟にゲーセンって行ったけど…



この人たちとゲーセン来たの間違いだったんじゃないでしょうか。




「おぉ~~~っ」



とりあえずはしゃぐ菅原。



「可愛い…この子どうやったらとれるのかしら?」



クレーンゲームのガラスにへばりつく勢いでぬいぐるみを見る結さん。




「……このゲーム機学校にも置けたらいいのに」




ゲーセンに来ても学校のことを考えている渚先輩。



しかも、ゲーム機を学校に置こうとするって、いったい何を考えてるんですか。




あぁ、生徒会が変わり者の集まりだってこと、すっかり忘れてた。



私も皆に負けてないくらい変り者なんだが。




まず、ずっとぬいぐるみとにらめっこしている結さんに話を聞くとしよう。



「…ほしいんですか」



私がそう問いかけると、結さんは即答だった。



「えぇ、とっても可愛いもの」



「でもね、心花ちゃん…」




「私これ何回やってもとれたことが一度もないの!!」




これとは、クレーンゲームのことだろうか。



「…どや顔で言わないでください」



助けてあげたいけど、私もそこまで得意じゃないんだよな。




「ふくかいちょーこれほしいの?」



「え?えぇ…」



急に菅原が来たと思えば、100円を入れるから、びっくりして固まってしまった。



_ピロリン



ウィーン…



ボトッ



「………」



……え?



これって1回でとれるものだっけ?




「す、す……」



「すごいわ!海くん!」



結さんが目を丸くして、キラキラさせている。




「えへへ」



「……あぅ…」




結さんがフラッとよろめいたのを私はキャッチする。



トキメキすぎて倒れた。



「結さんしっかりしてください」




「今の笑顔は反則よ…写真100枚とりたかった…」




「もう死ぬみたいな雰囲気出してますけど、死んでませんから」