渚先輩、好きってなんでしょうか?




°。。°*°*。*



「お世話になりました」



結さんが深々と頭を下げて、何かを手渡している。



私と菅原も、後に続いてぺこりと頭を下げてお礼を言った。




どうやら今日は、皆で出かけるらしい。



…こんなに暑いのに



外はムシムシしていて、溶けてしまいそうだ。



こんな日にはアイスが食べたい。



というか、アイスはどんな季節でも美味しい。と私は思う。




「ところで、今日はどこへ行くんでしょう」



私だけ寝ていたので、どこへ行くのかも何も知らない。



「決めてないわよ」


結さんがヘラッと笑って言った。



…え



仕事モードが抜けている結さんは、だいたいノープランで、無邪気な子供に戻る。




…まさかこんな暑い中、外をブラブラするの?




「菅原はどこ行きたいの?」




菅原が出かけたいとうるさいから、みんな外へ出てきたけど、まさか菅原も…



「お外出たかっただけ!」



…やはりノープランか



少しだけでも期待した私がバカだった。




こんな暑い中、ずっと外でブラブラするなんて、嫌だ、絶対嫌だ。



というか、



「家に帰っていいですか」



帰りたい。




「皆が良かったらだけど、図書館とかどう?」



…図書館



もしかして渚先輩、休みの日まで仕事するつもりですか。



「図書館いいわね」



結さんが渚先輩の意見に賛成する。



図書館行って何かの資料集めするんじゃ…




そして私たちも付き合わされて夜まで仕事地獄に…



だぁーー、




「普通の高校生はゲーセン行ったりするんじゃないですか?」



休みの日まで生徒会の仕事なんて、絶対防ぐべき。




私が適当にそう言うと、皆は目をキラキラと輝かせた。




「「「おぉ~」」」




…なに、その初めて行くみたいな反応