「どーーんっ」
うっ
……重い
「こーちゃん朝だよ!お出かけだよ!」
……うるさい
ゆっくりと目を開けると、菅原が私の上に乗っかっていて、そりゃ重いわ、と思った。
「ココさん朝ごはん食べよ」
渚先輩のそんな声が聞こえて、同時に優しく背中をトントンされる。
もう朝か…
体を起こすと、皆が私を見下ろしていて、朝だということを再度思い知らされた。
大きなあくびをひとつ。
「先に行ってるよ」
渚先輩はそう言うと、菅原の服を少し強引に掴んで、部屋から出ていった。
まだ寝ぼけててちゃんと働いてないけど、ぼーっとしたまま先輩のパーカーを脱いで制服に着替える。
「心花ちゃんあのね、海くんがね、朝起きたときにおはよう!って笑顔で言ってくれてね、うぅ、まるで新婚さんだわっっ」
昨日悩んでたけどちょっと元気に、いや、めっちゃ元気になってるから、大丈夫そうだ。
「……よかったですね」
「それとね、」
「遊んでたら男の子ふたりもここで寝落ちちゃったんだって」
「だから離れてたけど、海くんと同じ部屋で寝てたのよ~~っ、きゃ~っ」
……あれ、夢じゃなかったんだ
渚先輩に抱きしめられてたの。
結さんは頬をポッとピンク色に染めて、照れている。
好きな人と同じ部屋にいるだけで嬉しいなんて、私には理解できないなぁ。
そう思ったけど、まぁ結さんが幸せそうだからいいか。
「それで、渚とどうして抱きしめあってたの?」



