のぼせそうだったので、結さんより先にお風呂から上がり、渚先輩の服を着た。
思ったよりも大きくて、手が服の袖から出てこない。
…大きい
それに、やっぱりいい匂いがする。
「みんな2階にいるよ」
お母さんがそう教えてくれたので、お礼を言って2階へあがった。
ドアを開ける前から、菅原の明るい声が聞こえてきた。
…なんかゲームでもやってるのか?
ドアを開けると、渚先輩と菅原がトランプで遊んでいる姿が視界に入ってきた。
…トランプで渚先輩に勝てる人なんていないのに
今まで、どのトランプのゲームでも先輩に勝ったことがない。
副会長である結さんさえ、勝てたことがないのだ。
「また負けた~っ、かいちょー強い!」
「ふふふ」
…渚先輩、すごく自慢気
盛り上がっていたからなのか、私が来たことに今気づいたみたい。
「あ、ちゃんとあったまってきた?」
「はい…あ、服もありがとうございます」
服の袖で隠れたまま、右手をパッとあげて見せると、渚先輩はなぜか目を逸らした。
…え?
「…うん」
なにそのそっけない返事。
…なんで目を逸らしたの?
ちょっとだけムカついたから、先輩のベットに、だいぶしてやった。



