…そうなんだ
「ほら、走るとき邪魔だし…後は、肩がこるわね、それに……」
「……心を見てくれない…ときもあるわ」
…心を見てくれない?
「それって…」
どういう意味でしょう?
私が不思議に思って結さんを見つめていると、結さんは悲しそうに眉を下げて、過去のことを話してくれた。
「…彼氏がいたの」
「高校2年生の時、大切な彼氏が」
結さんの表情を見れば、すごくその人のことが好きだったのだと、大切に想っていたのだと伝わってくる。
「でもその彼、付き合ったのは私の胸が大きいからで、見た目もタイプだったからって」
「偶然それを聞いてしまったの」
……なにそれ
「もう今は、これっぽっちも好きじゃないわよ」
シャワーをキュッと出すと、結さんは髪を濡らした。
だけど結さんはきっと、それを知ったときすごくショックだったのだろう。
私は結さんを傷つけたその人が許せないと思った。
ムッとして俯いていると、シャワーがキュッと止まる音が聞こえて、また私は顔をあげた。
「心花ちゃん…あなたは、」
「あなたの外見じゃなくて内面を見てくれる人と、」
「そしてあなたを大事に大切にしてくれる人と一緒にいてね」
「あなたの気持ちや体を、大切にしてくれる人こそ、本当の愛なのよ」



