渚先輩、好きってなんでしょうか?



お風呂に入ると、渚先輩のお母さんから言われたことを思い出した。




お風呂に向かう途中、ばったりお母さんと会ったのだ。



私にバスタオルなどを渡してくれて、



『遠慮しないで、ちゃんとゆぶねにつかるのよ』



そう言って優しく微笑んだ。




私はいつも、ゆぶねにはつからない。



暑がりだし、なんだか別につかりたいとも思わないからだ。



けれどせっかくなので、わたしも少しつかってみようと思う。



髪を洗ったり、体を洗ったりしているときは、自然と考え事をしてしまうものだ。




そういえばお泊まり会は、これが人生で初だ。



みんな経験したことがあるのでしょうか?



結さんはありそうだな。



でも、ずっと気を張っていそうだ。



結さんは生徒会の皆と話すときと、先生や私たち以外の人と話すときとでは、全然何かが違う。



どこか気を張っていて、仕事モードなのだ。



でも今はすごく楽しそう。



私たちといるときは、どこか安心しているように見える。



…よかった




洗い終わった私は、久しぶりのゆぶねに足をツンと入れてみた。



…ちょっと熱い




思いきって中に入ると、案外そんなに嫌じゃなかった。



少し熱いけど、気持ちいい。



「……なーんだ」




ずっと苦手だと思っていたのに、入ってみたら全然嫌じゃなくなっていた。



……不思議だ



私は、そういうことが多い。




つまり、できない、嫌だ、と決めつけていたものを、いざとなってやってみれば、



案外そんなに嫌じゃなくなっていて、あれ?って思ったりすること。