ハッと我に返った渚先輩が、ジュースとお菓子を持ってきてくれた。
私はそれを遠慮なくパクパク食べる。
それを見ていた渚先輩が、ふっと笑ったのを私は知っている。
菅原はまだ気持ち良さそうにベットで眠っている。
…よっぽど疲れたんだな
「……結なに見てるの?」
にやにやしながらケータイを見つめる結さんに、渚先輩が問いかけた。
そして答えを聞く前に、渚先輩は結さんのケータイを覗く。
「あっ、これは…」
「心花ちゃんの猫耳姿よ❤️」
?!
「ごほっ…ごほっ…」
……や、やはり結さんに撮られていたか
あの結さんのことだから、そうだとは思っていたけど…
「…今すぐ削除、願います」
「嫌よ」
……そ…即答
「可愛いんだもの」
私を可愛いだなんて、結さんきっと変なものでも食べたのだろう。
そう思っていると、渚先輩がクスッと笑った。
…今度はなんですか?
「ケータイのまちうけにしてる」
渚先輩が肩をプルプルと震わせながらそう言った。
は?!
「ちょっ、結さん。削除してくださいってばっ」
私がケータイを取ろうとすると、ひょいっと簡単によけられてしまう。
…いじわる
なんだかんだ、これが生徒会にとっての打ち上げなのかもしれないと思った。
疲労でカラオケや遊びに行くことはできないけれど、こうして一緒にいられる。
一緒に他愛もない話をして、笑う。
これもきっと、思い出になるのだろう。



