渚先輩のその一言で、家におじゃますることになった。
渚先輩のお母さんは、とても優しい雰囲気を放っていた。
渚先輩と同じ雰囲気を感じる…
お父さんはまだ仕事に行っているみたい。
「どうぞ」
2階に上がると、渚先輩の部屋に案内された。
…きれい
しっかり整理されていて、特に本棚にずらりと並んだ本が気になる。
いろんな種類の本がある。
真面目な先輩のことだから、きっと調べものや、勉強に使っているものがほとんどだろう。
渚先輩は自分のベットに菅原を寝かせて、ふぅっと小さなため息をついた。
ここまでずっとおぶって来たのだから、疲れるのは当たり前だ。
この部屋は渚先輩の匂いで包まれていて、なんだか落ち着く。
「ねぇ、渚。この本ってもしかして賞をとった…」
結さんが気になった本があるようで、その本をキラキラとした目で見つめながらそう言った。
「あぁ、うん。そうだよ」
「やっぱりそうよね」
それから2人は、その本についてあつく語り始めた。
私にはなんの話をしているのか、さっぱり分からなかったけど。