「……わかった。じゃぁ_」
私はピンク団の入場の放送をした後、用意していた音楽を流した。
…結さんのパフォーマンス見たかったな
音楽を流した後、私は全力で走り始めた。
先輩の言葉を思い出しながら。
『わかった。じゃぁ、』
『…浴衣を持ってきて欲しいんだ』
…浴衣?
『今から言うこと、覚えられる?』
記憶力ならいい方だ。
『はい』
『放送室を出たら右、』
『廊下を進んで階段を上がって、そうしたら1年生校舎に入るから』
『1年2組の隣にある準備室ってところに入って、』
『そしたら「波瀬(はせ)」って書いてあるロッカーがあるから、』
『その暗証番号を…えーっと…1625』
『そしたらそこに浴衣があるから、それを持ってきてほしい』
先輩の声は頭に入りやすい。
いつも聞いているし、落ち着いた声をしているから。
“階段を上がって”
「はぁっ……階段きつっ」
“そしたら1年生校舎に入るから”
“1年2組の隣の準備室”
先輩に言われた通りに進んでいくと、準備室を見つけた。