「…あんまり近づかないでもらえますか」
「後の話は警察とお願いします」
渚先輩は私をグッと後ろに隠した。
誰かが呼んだのであろう警察が来てくれて、女の子も私も、先輩も皆、怪我なく事は終わった。
…私はいまだに、先輩にお説教中ですが
「…あんなに危ないこと、もうしないで」
「絶対!」
珍しく怒っている先輩は、正直言ってめんどくさい。
「…へいへい」
私は右から左に聞き流しながら適当に返事をしていると、突然先輩の手が私の頬をつかんだ。
「…心花」
「ちゃんと、目を見なさい」
…いきなり名前呼び
先輩は真剣な瞳で私を見つめている。
…なんで私が怒られなきゃいけないんだ
「だって意味わかんなかったじゃないですか、あのじじい」
あれ、なんか
「じじいって言わない」
「なんで私、怒られなきゃなんないんですか」
「…やっぱり人ってめんどくさい」
「私には理解ができない」
なんか、泣きそう
「…え…ココさん…ないて」
「…泣いてませんけど」
私は先輩をムッと睨む。
「……ふっ」



